2018年5月19日土曜日

高野麻里佳とミシャラ

 5/4-6に開催された、マチ★アソビのVol. 20の3日目に参加してきました。最近気になっていた高野麻里佳さんがマチ★アソビで推しに加わりました。
 理由はいろいろと1ありますが、高野麻里佳さんをkininaruから推しに昇華させる上で一番大きなエンタルピーとなったコンテンツが、『レイヤードストーリーズ ゼロ』、通称レイゼロです。

▶『レイゼロ』について

 公式サイトの説明を見てもよく分からない挙げ句にWikipedia記事もないという謎なコンテンツですが、つまりは2037年の渋谷を舞台にしたSFものです。一人ひとりが理想を具現化したARのキャラクター(ACT)を持ち、それを使ってバトルをするという世界です。また、ある人の言動やACTが気に入らなければ、それに対してUNPL(ヘイトポイントみたいなもの)を送りつけることができ、それが一定値を超えるとその人のACTは削除されてしまう、というシステムがあり、このシステムが物語の軸となっています。
 この作品はゲームとアニメを同時展開しており、ゲームではアニメの世界と同時間軸で、違った視点からのストーリーが楽しめたり、アプリ内でアニメの視聴ができたりします。

▶アイドルACT、『ミシャラ』

 ミシャラは、2037年の渋谷で一世を風靡する大人気アイドルACTです。2話で登場し、2話で消滅します。



 ミシャラは、アイドルのマネージャーである紅葉のACT。しかし、紅葉はプロデュースに没頭するあまり、家族をないがしろにしてしまいます。紅葉の娘は、父との家族としてのふれあいを求めてライブ会場に向かいます。しかし紅葉は、そんな娘を鬱陶しく思い、虐待行為をしてしまいます。この様子をずっと見ていたジョシュア(主人公のライバル枠)は、
“お前のような人間が、ACTの拡張を阻害する”
と述べ、この行為を世界中に配信して紅葉のUNPLを上げ、そのACTであるミシャラを削除してしまいます。
 ジョシュアの述べる“ACTの拡張”というのは、端的に言えば「ACTに意志(心)を持たせる」ということです。この時点ではまだ実現されておらず、この実現のためのヒントを求めてミシャラのライブ会場を訪れたのでした。このお話も今後の展開で重要な軸となってくるのですが、ここでは本筋と離れるので割愛。

▶『高野麻里佳』と『ミシャラ』

百聞は一見に如かず、まずはこちらを御覧ください。



 昨今の作品現場では、声優がキャラとして歌うというのは往々にしてあることですが、ここまで高度にキャラに寄せたものはなかなか無いのではないでしょうか。
 高野さんは、ミシャラを演じることについて、このように述べています。
“ミシャラというキャラクターを考えたときに、プロのアイドルである彼女が歌うとしたらどんな風に歌うのか、私なりにイメージしました。そして、自分の歌い方からミシャラの歌い方に近づけていくために何回も反復練習をしました。アイドルというのは、応援したくなるような、夢や勇気をもらえるような存在だと思うんです。聴いてくださった方に元気を与えられるような、応援してもらえるような歌声じゃないといけないと思ったので、「ミシャラが愛されるように」研究しました。”2
役作りに真剣なのはどの声優さんでもそうだと思いますが、特に高野さんの役作りへの意欲は人一倍で、声優ユニット『イヤホンズ』でユニットを組む高橋李依さんと長久友紀さんに「がんばり屋さん」と評されています。君と夜のアンチノミーのPVでは、「ミシャラが愛されるように」の言葉の通り、かわいさを振り切ったパフォーマンスで心を射抜かれます。しかしそんな中にも、ACTらしくどこか垢抜けていて、アンドロイド感の拭えない絶妙なパフォーマンスがとても素晴らしいです。

▶心を持つACT

 また高野さんは、ミシャラの好きな点について、このようにも述べています。
“ゲームでもアニメでも、ミシャラは「みんなをメロメロにしてあげる♡」というかわいらしいセリフと共にポージングをしているんですけど、そんな時の彼女を見ていると、本当に真っすぐな気持ちで人を微笑ませたいと思っているように感じられるんです”3
“(ミシャラが削除される時について)そこでミシャラは、完全に機能停止になってしまうまで、歌をく口ずさんでいたんですよね。そこに、「誰かを元気づけたい」というミシャラの心そのものが一番出ていたんじゃないかなって。”3
この時点では、ミシャラは意志(心)を持たないことになっていますが、実はその原型となりうるものが既にミシャラの中には息づいている、という解釈です。この「心」の原型をもつミシャラの中には、邪念も葛藤もない「人を楽しませたい」という純粋な感情だけがあります。これは、ACTが本質的に心を持てるようになるまでの過渡期にのみ存在する、とても儚い存在なのです。これを踏まえて「君と夜のアンチノミー」を聞くと、その「純粋さ」と「儚さ」を非常にいいバランスで押し出している楽曲であることが分かります。この世界観は、非常に僕好みのものでした。そして何より、その世界観にすうっと引き込まれ、釘付けになってしまう高野さんのパフォーマンスは、役作りのまっすぐさの賜であり、これが「愛される」ということなのだなと思います。

 徳島に行くかどうかは割と迷ってたのですが、結局は行って大正解でした。マチ★アソビ名物の突発サイン会も運良く参加でき、初まりんかが初接近というなかなか珍しいケースになりました。2018年、僕はどこへ向かうのでしょうか。
 最後に、「君と夜のアンチノミー」のCD裏面の高野麻里佳さんのメッセージを添えて終わりにしたいと思います。
ミシャラから君へ
たっぷり愛を込めました。
君と夜のアンチノミー
ぜひたくさん聴いてください♡
      高野 麻里佳


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*脚注・出典
1. イヤホンズ、秋マス、三ツ星カラーズ、ウマ娘etc...
2. レイヤードストーリーズ ゼロ 公式インフォメーション『ミシャラの新曲「ウタカタMoment」収録現場より、高野麻里佳さんにインタビュー!』(2018年5月閲覧)
3. 声優パラダイスR Vol. 24 (秋田書店・2018年)

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